美味しいカニの鮮度と国産と外国産の違いとは2021.12.15

冬になるとおいしくなるまさに冬の味覚の王様・カニですが、今回はカニの鮮度についてお話します。

例えば、水揚げしてからはどうすればいいのか?いけす(生簀)に入れておくのか、冷凍するのか?
冷蔵庫でも鮮度は保てるのか、についてお伝えいたします。

また、国産のカニと外国産のカニ、どちらの方が、鮮度があるかやおいしいかについても取り上げます。

茹でガニと活きガニ

茹でガニは茹でてあっても鮮度に要注意

カニには大きく分けて活きガニと茹でガニがあります。
活きガニがネット販売されることは通常ほとんどなく、たいていは水産市場や大型スーパーでの販売になります。

活きガニと茹でガニは色が大きく違います。
カニの鮮度に関係なく活きガニは茶色っぽい色をしていますが、これに対し茹でガニは真っ赤です。
茹でたら色が変わるためです。

活きガニについては後述しますが、茹でガニは水揚げから茹でるまでの時間が短い方がおいしいとされます。
同様に、茹でてから食べるまでの時間が短いのもおいしいと言われます。
そういった時間が短い方が、それだけ鮮度が保たれるということです。

したがって、通販サイトで茹でガニを購入することもあるかと思われますが、この際に「水揚げ直後に茹でる」という表示があれば品質のいいカニである可能性が高い、と言えます。

しかし、茹でてあってもカニの足は早く、普通の魚なんかに比べても鮮度の落ちるスピードは速いです。
これはカニの身のたんぱく質が良質だからであり、鮮度の低下したカニは食べると中毒の原因になるため注意が必要です。

カニは鮮度が命 やっぱり活きガニ

一方の活きガニですが、いけすの中のカニは元気に動き回っているほど鮮度もいいとされます。
しかし、長時間いけすの中にいると次第に鮮度は落ちていきます。
よく氷水なんかに付けてカニを保存し、鮮度が落ちるのを防いでいますが、いつまでも続くわけではありません。

いけすの中を元気に動き回っているカニは身が引き締まっています。
これに対し、鮮度の悪いカニは足の付け根がどす黒くなり、弱っています。

当然ですが、カニの味は鮮度で決まります。鮮度がいいものほど味もいいです。
茹でてあれば安心、というものでもないのでできれば活きガニを、といきたいところです。

カニの鮮度を保つ急速冷凍

冷凍の仕方が大切なカニの鮮度

とは言っても、水揚げしたものをすぐに食するということは実際にはなかなかできないものです。
その解決策として「急速冷凍」があります。
これは通常の冷凍保存とは違って、一気に冷凍するというものです。
一気にカニの鮮度を保ち、旨味を封じ込めるというものです。

まず水揚げしたカニを茹で、そしてマイナス50℃より上の温度で急速冷凍します。
この過程でカニの鮮度と旨味を閉じ込めるのですが、元々鮮度の落ちたカニだったり、冷凍の温度や時間が適切でなかったりしたらおいしく保存することはできません。

このように急速冷凍が一番いい方法なのですが、やり方を誤ると美味しく食することができません。

冷蔵庫に入れるくらいではカニの鮮度は落ちる

実際、誤ったやり方で冷凍したカニを食べたのか、冷凍のカニはおいしくないという人もたくさんいます。
これは急速冷凍されていないか、されていてもうまくいっていないためです。
冷蔵庫に入れたくらいではカニの鮮度は確実に落ちます。

まずは水揚げ後茹でてからの急速冷凍、その後の冷凍保存がカニの鮮度をキープするポイントです。マイナス50℃以上というのも一つの目安だと言えます。

外国産VS国産 カニの鮮度と味

外国産か、国産か?

外国産のカニとは日本の船がベーリング海やオホーツク海で操業して、捕獲したカニを冷凍保存して日本に持ち帰ったもののことです。
もしくは日本の仲介業者が外国から輸入したものです。
カニ自体の品質はとてもいいのですが、冷凍保存されている分、鮮度は国産のものより少し落ちます。

これに対して国産のカニは日本近海で揚がったもので、特に北海道や日本海側などの現地でとれたてのものをすぐに食べると鮮度もよく、おいしいのです。

どうしてもカニの鮮度と味が落ちてしまう過程

人気のタラバガニやズワイガニは外国産のものの方がサイズも大きく、本来ならばこちらの方が味はいいはずなのですが、どうしても運んでくるプロセスで味が落ちてしまっているのが現状です。
実際、国産でも冷凍や流通の過程で味は確実に落ちます。

そのせいもあって冬には「カニかにツアー」などと称してカニを味わうためのパッケージ旅行が多数販売されるのでしょう。

カニの鮮度のまとめ

やはりカニは鮮度に尽きます。国産のより味は上のベーリング海産も鮮度にはかないません。

冬になるとやっぱり食べたくなるあのカニの味。
できればカニの地元へ行きたいものですが、いけない場合はインターネットのページをじっくり吟味して確実に鮮度のいいカニを買いましょう。