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おせちの盛り付け方|定番の重箱からおしゃれなワンプレートまで紹介2023.06.18

おせちの盛り付けには、厳しいルールやマナーが存在すると思っていませんか?
現代のおせちは、最低限のしきたりさえ守れば意外に自由です。

時代とともに新しいスタイルが生まれ、それに伴いルールやマナーも変化しているからでしょう。

本記事では、おせちの盛り付け方について詳しく解説します。
和食の料理人が教える盛り付けの基本からおしゃれな洋風アレンジまで、バリエーションも豊富です。
最後まで読めば、おせちの盛り付けで迷うことはありません。

結論から言うと、どんな盛り付け方にも共通するルールは「奇数」であることです。
日本では古くから、ご祝儀など「割り切れない数字は縁起がよい」とされています。

おせちの盛り付けマナー|奇数が大事

日本では古くから「奇数のほうが縁起いい」との考えがあります。

偶数には「不安定」という意味があるからです。
偶数は「割り切れる」「二つに分かれる」という理由で、祝いの席にはふさわしくないとされています。

一方で奇数の「三」は三種の神器や御三家など「完全」を表す非常に縁起のよい数字です。
めでたいときに食べるおせちの盛り付けも「3・5・7・9」などの奇数にするのがマナー。

基本的な盛り付けのマナー|日本料理のしきたり

おせちも日本料理のひとつである以上、基本的な盛り付けマナーは同じです。

  • 流し盛り
  • 魚左向き
  • 右紅左白(うこうさはく)

日本料理の盛り付けは左側が主体で、左上から右下(↘)へ向かって盛り付ける「流し盛り」が基本。
人間は左側へ目が向きやすいことや、右利きのほうが多いためです。

魚介類など尾頭付きの料理は、頭を左向きにして盛り付けるのが基本。
「左上位・左優位」といって、左側を上位とする日本の伝統的な考えからきています。
切り身の場合は、皮目が右側になるように盛り付ければOKです。

右紅左白(うこうさはく)とは右側を華やかに盛り付ける手法で、こちらも日本古来の風習によるもの。
紅白のかまぼこを盛る際は、赤色を右側に盛り付けましょう。

重箱のマナー|段ごとに入れる料理が決まっている

おせちの重箱は、何段目に何を入れるか決まっています。

 ▶一段目:祝い肴・口取り(前菜・酒の肴)
 ▷二段目:焼物(メインディッシュ)
 ▶三段目:酢の物(箸休め)
 ▷四段目:煮物(締め)
 ▶五段目:空にする

地域によって、重箱の順番や中身は異なります。
おせちに対する考え方や解釈には、諸説あるからです。

実用的に見ると、汁気のある煮物を単品で一番下段にする盛り付けは理にかなっています。
万が一、重箱が傾いたり崩れたりしても、他の料理に煮汁がかかることはありません。
三段重の場合も、一番下は煮物だけで盛り付けたほうが安全です。

料理以外のマナー|お屠蘇と祝い箸のしきたり

お屠蘇(おとそ)とは、無病息災を祈願して飲まれる食前酒のことです。

本来は数種類の薬草を調合し、みりんと日本酒に漬けて作ります。
薬草だけを調合した屠蘇散(とそさん)がドラックストアなどで売られていますが、普通の日本酒でも問題はないでしょう。

祝い箸はデパートや専門店で入手できますが、早めに準備するのがオススメです。
おせちを食べる人の立場や箸の用途に応じて、家長(一家の主)が箸袋にそれぞれ名前を書きます。

 ▶家長:主人
 ▷家族:名前
 ▶ゲスト:上
 ▷取り箸:海山・組重

本来は大晦日に記入し、神棚か鏡餅のそばにお供えするのがしきたりです。
おせちを取り分ける用の祝い箸には、関東なら「海山(うみやま)」関西なら「組重(くみじゅう)」と書きます。

おせちの盛り付け方|定番の重箱からおしゃれなワンプレートまで紹介

最近のおせちは重箱だけでなく、お皿やプレートに盛り付けるスタイルが流行っています。
2〜3人の家庭が増えたため、重箱だと量が多すぎて食べ切れないのです。

そもそもおせちは、必ずしも重箱に詰める必要はありません。
重箱が定着する明治以前は、お膳などに盛り付けられていた時期もありました。

多様化する盛り付けの中から、現在主流の3パターンをご紹介します。

  • 重箱盛り
  • ワンプレート盛り
  • 個別盛り(銘々皿盛り)

食べる人数にあわせて、お好きな盛り付け方を選んでください。

定番の重箱盛り|基本的な6つの型

仕切りで重箱を区切るのは、おせち同士で味や香りが移るのを防ぐためです。
仕切りには基本的な6つの型があり、それぞれ盛り付けやすい具材があります。

【段取り】
焼き物にオススメの型で、真ん中を広げれば鯛の尾頭付きが入ります。

【市松型】
祝い肴・口取りなど、品数が多い段にオススメ。

【手綱(たづな)型】
仕切りを減らし小鉢を使えば、焼き物・酢の物・煮物まで対応可能。

【七宝(しっぽう)型】
中央をさらに仕切れば、祝い肴・口取り・焼き物まで対応可能。

【末広型】
酢の物にオススメの型で、中央を小鉢に盛り付けるとキレイです。

【扇型】
煮物を盛り付けるのにオススメで、列ごとに彩りを変えると華やかさが出ます。

【重箱盛りのコツ】
 ▶隙間なく詰める
 ▷奥から手前に盛る
 ▶具材の高さを揃える

具材を立てて盛り付けると、立体感が出るうえに箸で取りやすくなります。

おしゃれなワンプレート盛り|流行りの洋風アレンジも

最近のおせちは、大皿やプレート皿に盛り付ける「ワンプレート盛り」が流行っています。
少ない品数でも見栄えよく盛り付けられる点が、メリットです。

皿と料理の色がかけ離れているほど、おせちが鮮やかに見えます。

 ▶白皿には黒豆や昆布巻きなど
 ▷黒皿には紅白のかまぼこやなますなど
 ▶伊達巻きや数の子など黄色い具材はどちらでも

まず、小皿を使い真ん中に1品盛り付けます。
次に周りを囲むように、5~6品盛り付ければ完成です。

和風の葉物やハーブ系を飾り、おしゃれに盛り付けましょう。
足つきのグラスなどを使い、中央を高くするとバランスよく盛れます。

料亭風・個別盛り|銘々盛りとも呼ばれる和食の盛り付け

1人前のおせちを、1枚の皿(ワンプレート)に盛り付けるやり方です。

大勢で取り分けるスタイルと違い、自分のペースで食事できる点がメリット。
譲り合った結果ひとつだけ料理が残る、なんてこともありません。

少量ずつたくさんの品数を乗せるもよし、3~4品ずつコースのように出すのもいいでしょう。
盛り付け次第で、料亭のような高級感を演出できます。
半月盆、三連皿、長皿に小鉢を乗せるなど、器のチョイスも自由自在。

数品ずつ順番に出す場合は、重箱の祝い肴〜煮物の流れをくむとスムーズです。
ひと皿にまとめて盛り付ける場合は、手前から一の重、中央を二・三の重、奥を与の重に見立てるとよいでしょう。

おせちの盛り付け方のポイント|失敗しない3つのコツ

盛り付ける前に、おせちを別皿かバットにまとめておくと仕事がスムーズ。
同じ作業をくり返すほうが、無駄な動きがないからです。

具材のカットや小鉢に移し替える必要があるものは、全て用意しておきましょう。

  • 数の子・かまぼこのカット
  • 魚・えびの頭を左向きに並べる
  • 黒豆・なますを小鉢に移し替える

盛り付けに使用する菜箸は、先の細いものがオススメ。
操作性がよく、狭いスペースでも扱いやすいからです。

片方の手で具材を支えながら、菜箸で形を整えましょう。

料理人が教える盛り付けの基本

どんなおせちにも共通する、盛り付けの基本を知っておきましょう。

 ▶器の正面を決める
 ▷最初に土台を決める
 ▶別皿で形を決めておく

食べる人から見て正面を、もっとも華やかにします。
座ったときと同じ目線の高さで、盛り付けることが重要です。

最初に土台を決めると、他の料理を配置しやすくなります。
立てかけるように盛ることで、自然に立体感が出るからです。

例えば、お刺身もツマに立てかけることで、立体的に見せています。
また、見栄えがいい具材は、一番上(最後)に乗せるのが基本です。

いきなり器の中に盛り付けると、狭かったり崩れたりしてうまくいきません。
あらかじめ別皿やバットで形を決めてから、重箱や皿に移動させましょう。

失敗しない3つのコツ|崩れにくいものから盛り付ける

 ▶崩れにくいものから
 ▷同じような色を並べない
 ▶あしらいや飾り切りを使う

先に盛り付けた具材ほど、時間がたつと崩れてきます。
おせちを並べる時間から逆算して、崩れやすいものは出す直前に盛り付けましょう。
硬いものや大きいものから盛り付けることで、丈夫な土台を作れます。

同色が隣接すると、境目がぼやけて料理が目立ちません。
薄い色と濃い色を、交互に並べるのが理想です。
迷ったときは「右紅左白」を思い出してください。

飾り串や葉物などを使って装飾すると、手軽に見栄えよく盛り付けられます。
同じ色が並んでしまう場合でも、飾りで違う色を足せば料理がぼやけません。
簡単にできる飾り切りもあるので、試してみるのもいいでしょう。

盛り付けるときの3つの注意点|出来立ては厳禁

 ▶冷ましてから盛り付ける
 ▷汁気があるものは小鉢に入れる
 ▶品数は奇数・魚の頭は左向きにする

元々おせちは三が日に炊事をしないための保存食でもあり、常温で食べるのが普通です。

温かい料理は崩れやすいため盛り付けにくく、保存も効きません。
お弁当の具材とまったく同じ扱い方です。

煮物系など汁気を含む具材は、小鉢やゆず釜に入れて他の料理から隔離します。
笹の葉を折り曲げ、小皿の代わりにする方法も有効です。

重箱の仕切りが偶数の場合は、1つの仕切り内に2品盛り付けて奇数にしましょう。
田作り(ごまめ)のように、小さい魚の頭も左向きにして盛り付けます。

盛り付けに集中したい人は「お取り寄せおせち」がオススメ

近年は完成したおせちだけでなく、具材だけを取り寄せることも可能です。
真空パックや冷凍品で届くため、保存も効きます。

通販なら、祝い箸などの備品もセットで付くことがほとんどです。
盛り付けに集中したい人は、ぜひ試してみてください。

近代おせちの盛り付けには、3パターンのやり方があります。

  • 定番の重箱盛り(三~五段重)
  • おしゃれなワンプレート盛り
  • 料亭風の個別盛り(銘々盛り)

どの盛り付け方にも共通するマナーは下記の3つ。

  • 流し盛り
  • 右紅左白
  • 魚左向き

伝統的なおせちも、時代とともに多種多様化しています。
形式にとらわれすぎず、お正月のめでたい雰囲気を楽しむことが最大のコツです。