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おせち料理が持つ意味|一つ一つの具材や重箱にも趣旨がある!2023.05.15

毎年お正月に食べるおせちですが、一つ一つの具材の意味や重箱に詰める理由を知っている人は少ないでしょう。

元々は神様へのお供え物で、季節の節目ごとに豊作の感謝を伝える意味で特別に作られていました。
時代と共におせちの形も変わりましたが、基本的な意味は同じままです。

本記事では「おせち」が持つ意味を詳しく解説します。

実際におせち料理を作っていた和食の料理人が、具材一つ一つの意味を一覧にまとめたので参考にしてみてください。

最後まで読めば「形式にとらわれないおせちの楽しみ方」がわかります。

おせち料理が持つ意味|時代ごとの変化

そもそもおせち(御節)は、季節の節目である「節日(せちにち)」を意味する言葉です。

節日に神様へ感謝の意味を込めてお供え物をする「お節供(おせちく)」という風習が始まり。
節目に供えたことからお節供と呼ばれ、供えられた料理が現在のおせちの原型です。

本来おせちはお供え物の意味

おせちには、神様へのお供え物という意味があります。
年に5回あった節目の日(節日)に、豊作の感謝を込めて供えられていました。

風習が始まったのは、稲作中心の弥生時代といわれています。
農耕民族にとって収穫の良し悪しは死活問題のため、自然界の神様に豊作を祈願したのです。

平安時代に入ると正式な朝廷行事となり、収穫物で作った料理が振舞われるようになります。
宴で出された特別な料理が、現代のおせち料理です。

一つ一つの具材が意味を持つようになる

おせちの具材一つ一つにまで意味を込めるようになったのは、江戸時代後期になってから。

宮中だけで催されていた節供の儀式が、「節句(せっく)」の日と定められ祝日となります。
大衆の間にもおせちの習慣が広まり、1年でもっとも特別なお正月に豪華な料理を作るようになりました。

正月に台所を使うのは縁起が悪いという意味で、今でも保存が効くように作られます。

  • 包丁を使うと「良縁」が切れる
  • 水を使うと「神様」が流れる
  • 火を使うと「神様」が怒る

「お正月くらいは台所仕事を休めるように」という意味合いもあったようです。

現代のおせちは料理としても楽しむ

今のおせちには「お供え物」という意味だけでなく、純粋に「料理として楽しむ」という意味合いもあります。

従来の伝統的なおせちの他にも洋風・中華など、バリエーションも豊富です。
また、有名店とのタイアップや有名シェフ監修による、素材や味にこだわった商品が流行っています。

それに伴い、おせちは「家で作るもの」から、デパートや通販サイトで購入するものに変わりつつあるようです。

共働きの家庭が増えたため、大晦日に手間をかけて作る余裕がなくなったからでしょう。

おせち料理を重箱に詰める意味|段数ごとの呼び名

おせちを重箱に詰めるようになったのは、江戸後期〜明治に入ってから。

「福を重ねる」という意味が込められた縁起物であると同時に、保存容器としても優秀だったのです。

段数ごとに呼び方があり、入れる料理も決まっています。
五段目は福を詰めるという意味で、あえて空にしておくのが通例です。
四段目は四が「死」を連想させるため、縁起が悪いとの考えから与の重と呼びます。

【おせち中身一覧】(諸説あり)

※上から数える五段重の中身三段重の中身
一の重祝い肴・口取り祝い肴・口取り
二の重焼き物焼き物・酢の物
三の重酢の物煮物
与の重煮物-
五の重あえて空にしておく-

重箱は「福が重なるように」の意味

(段数ごとの呼び名)
おせちを詰める重箱には「福が重なる」「めでたさが重なる」という意味があります。

一方で重箱の形状から、実用的な要素もありました。

  • 衛生的な保存容器
  • コンパクトに収納できる
  • キレイに盛り付けられる

重ねてフタをすることで、ホコリや虫から料理を保護できます。
コンパクトに収納できるため、保管スペースを取りません。
黒塗りの重箱に詰められたおせち料理は、見た目が豪華で華やかです。

お重に料理を盛り付けることを和食では「重詰め」と呼び、見栄えよく詰めていくにはそれなりの技術が要ります。
キレイに重詰めされたおせちは、おもてなしの心が伝わりやすかったのです。

「福を詰める」ための五段重(実質四段重)

伝統的なのは五段重ですが、五段目には何も入れないので実質四段重です。

五の重は控えの重とも言われ「神様から授かった福を詰める」という意味を込めて、あえて空にします。
わざわざ空きスペースを作ることで、将来の繫栄余地を残すのです。

五段重にするもうひとつの意味は、縁起の良い奇数にするため。
日本では昔から奇数が縁起の良い数字とされており、縁起の悪い四段目に「幸福を重ねる」というわけです。

入り切らなかった料理やお屠蘇(とそ)の器を入れておくなど、実用的な使い方をする場合もあります。

ロスを出さないための三段重

現在の重箱おせちは、三段重が主流です。

夫婦2人や夫婦と子供の3人家族が増えたため、五段重では量が多過ぎて食べ切れません。
三段重なら段数が少ないぶん、おせちの品数も少なくて済みます。

三は「完全」を意味する縁起のいい数字ですが、調理の負担やフードロスを減らすといった意味合いが強いようです。

三段重の場合、焼き物と酢の物を一緒にするパターンが基本です。
焼き物のそばに紅白なますなどの原色系を入れることで、見た目が色鮮やかになります。

おせち料理一つ一つの具材が持つ意味一覧

おせちの重箱には段ごとのテーマがあり、詰められた具材一つ一つにも意味が込められています。
子孫繫栄や立身出世などの意味を持つ料理を味わいながら、最終的には「良い一年を過ごせるように」と願うのです。

使われる具材の意味を知ることで、何がどうめでたいのかがわかります。
おせち料理の楽しみ方も増えるでしょう。

重箱に詰める順番などは、複数の解釈や諸説があります。

一の重:祝い肴・口取り

一番上の段には「子孫繫栄」や「長寿」の意味を込め、祝い肴(いわいざかな)三種と口取りを詰めます。
「三」は完全を意味する数字で、とても縁起がよいのです。

黒豆・数の子をベースに関東ではごまめ(カタクチイワシを干したもの)、関西では叩きごぼうを使用します。

【祝い肴】

具材意味
数の子-ニシンの卵であることから「子宝に恵まれる」
-漢字で二親と書くことで「元気な子供が生まれる」
黒豆-名前から「まめに働く」
-関東ではシワが寄るまで煮ることから「シワが寄るまで長生きする」
-関西では黒豆の表面にシワがないことを長生きと考え「不老長寿」
田作り-イワシを肥料にして田んぼを作ったことから「五穀豊穣」
-ごまめ(漢字で五万米)とも呼ばれ「豊作祈願」
-カタクチイワシの幼魚を使うことから「子孫繫栄」
ごぼう-地中深く根を張り成長することから「延命長寿」や「家族安泰」
-叩きごぼうは叩いて開かれるの意味で「開運」

口取りは懐石でいうところの「八寸(はっすん)」にあたり、コースの序盤に出される前菜や酒の肴といった位置づけ。

【口取り】

具材
かまぼこ-紅色のかまぼこは「めでたい」や「魔除け」
-白色のかまぼこは「清浄」や「神聖」
伊達巻-巻物のような形をしていることから「学問成就」や「知恵が増える」
昆布巻-「喜ぶ」の語呂合わせや養老昆布と書いて「不老長寿」
-昆布(こぶ)を子生(こぶ)と書いて「子孫繫栄」
栗きんとん-きんとんは金団と書くことから「金運上昇」
-栗は勝ち栗といわれることから「勝負強い一年になる」

二の重:焼き物

おせち料理の中でもメインディッシュの位置づけ。
「めでたい」を意味する鯛の焼き物の他に、ぶりやえびなど海の幸が満載な段でもあり「成長」や「出世」の意味が込められています。

【焼き物】

具材意味
-鯛の名前から「めでたい」
-恵比寿様が抱えていることから「お祝い」
-魚偏に調の組み合わせで「調和がとれる」
ぶり-出世魚の代表格であるぶりは「立身出世」
えび-目が飛び出していることから「めでたし」
-曲がった胴体と長いひげが「長寿」を表す
-甲殻類は脱皮を繰り返すことから「成長や発展」
貝類-寿命が長いアワビは「不老長寿」
-貝殻と貝殻が対になっているハマグリは「夫婦円満」
-トコブシは別名フクダメと呼ぶことから「福がたまる」

三の重:酢の物

三段目は酢の物がメインで、箸休め的な位置づけ。
大根、にんじん、れんこんなど紅白の野菜には「お祝い」という意味や、大地に根を張る根菜であることから「家族繁栄」という意味が込められています。

【酢の物】

具材意味
紅白なます紅白の水引を表現していて「一家の平和を願う」
根菜の大根とにんじんは大地に根を張ることから「家族の土台を築く」
菊花かぶ国花である菊に見立てた菊花かぶには「邪気払い」と「長寿」
小肌粟漬出世魚の小肌は「立身出世」
黄色く染めた粟に漬けることで「五穀豊穣」
酢れんこん穴から向こう側が見通せることから「将来の見通しが明るい」

与の重:煮物

四段目は筑前煮や里芋など、山の幸を使った煮物が入ります。
慣れ親しんだ味でおせちを締める、二の重で物足りないぶんを補う、といった位置づけ。

「ん」が付く具材には「運が付く」という意味があり、親芋と子芋が連なってできる里芋には「子宝に恵まれる」との意味が込められています。

【煮物(煮しめ)】

具材意味
筑前煮
(にんじん)
(れんこん)
(こんにゃく)
「ん」が付くことから「運」がつく
にんじんの赤色や花形の細工切りが「めでたい」
たくさんの穴が開いたれんこんは「未来が開かれる」
手綱(たづな)の形に結んだこんにゃくは「良縁が結ばれる」
里芋親芋の下に子芋、さらに下に孫芋が連なることから「子孫繁栄」
しいたけ戦場の陣笠(じんがさ)に似ていることから「元気・壮健」
亀の甲羅形に細工切りした亀甲椎茸は「健康長寿」

おせち料理はお取り寄せが現代流

なぜ、おせちはお取り寄せがよいのか?理由は下記のとおりです。

  • 作る手間がない
  • 有名店とコラボ
  • 有名シェフ監修
  • ジャンルも豊富
  • 冷凍で保存が効く

料理を作ると必ず材料が余ります。
おせちのように品数が多ければ、それだけ余る食材も多くなるのです。
通販なら完成した状態で届くので、調理後の後始末を考えなくて済みます。

本記事で解説したおせちの意味は、下記のとおり。

  • 神様へのお供え物
  • 福を重ねるための重箱
  • 五段目は福を呼び込む場所
  • 三段重は手間とロスを減らすため

「良い一年を過ごせるように」がおせち全体に込められた意味です。
具材一つ一つや入れ物の意味を知ることで、おせちを食べる本当の意味が理解できるでしょう。