国産(北海道産)カニの魅力についてご紹介2022.07.15

日本で漁獲されるカニは美味しいものの方が圧倒的に多いです。
その理由として、プランクトンが豊富な漁場、カニの生育に適した海水温などの環境が整っているから、加工技術に優れているから、消費者が美味しいカニを求めているといったことが挙げられます。
今回は、国産のカニがなぜ美味しいのか、なぜ高品質なのかを改めてじっくり解説していきます。

日本はカニの名産地

北海道の毛ガニ

北海道は言わずと知れたカニの名産地です。
道内の主な産地として稚内市、小樽市、紋別市などが挙げられます。
水揚げ量が日本一で、全国シェアに占める割合は24パーセントです。
日本で水揚げされるカニの4杯に1杯は北海道で獲れていることになります。
毛ガニは特に地元の人から熱い支持を集めており、場所によって旬が異なるので、通年リーズナブルな値段で美味しく食べられます。

福井県の越前カニ

福井県で水揚げされる雄のズワイガニを越前カニと呼びます。
皇室に献上されている唯一のカニであることから、越前かにの美味しさに勝るものはないと言われています。
古くから地元で食べられており、カニを使った郷土料理せいげという煮込み料理もあります。

鳥取県の松葉ガニ

鳥取県も実は水揚げ量日本2位というカニの名産地です。
県内の主な産地として、境港市、岩美町、鳥取市などが挙げられます。
ブランドとして売り出している松葉ガニが有名です。
松葉ガニは、鳥取県など山陰地方で獲れた雄のズワイガニのことです。
他の地域で獲れるズワイガニよりも上質な甘味と濃厚な旨味を持ちます。

国産のカニは鮮度が良い

輸送距離が近い

カニは水分とタンパク質が豊富な食品なので、鮮度が低下しやすいです。
国産のカニを国内で消費すると、必然的に輸送距離が短くなります。
これにより、鮮度が下がる前の美味しい状態で、漁場から食卓まで届けることができます。
輸送距離が近ければ輸送にかかるコストも下がるので、美味しさを味わえることに加えて、コストパフォーマンスに優れた環境に優しい食卓の実現可能です。

加工場までの距離も近い

漁場から食卓までの距離も大切ですが、漁場から加工場までの距離も品質保持のためには重要です。
どれだけ良いカニを獲れても、生の状態で長い時間が経過してしまうと、身の酸化や腐敗が進んでしまい、美味しさと安全性が損なわれてしまいます。
近年では、カニを茹でたり急速冷凍する機能を持たせた船もあるそうです。

浜茹でで鮮度保持

水揚げされたばかりのカニを漁港に設置された釜や、漁港近くの加工場でボイル処理することを浜茹でと言います。
浜茹では、普通の水で茹でるのではなく、その土地こだわりの塩を入れて茹でられることが多いです。
生のカニの食感と旨味をできるだけ残すために、迅速な浜茹でや急速冷凍を行います。

国産のカニは品質が良い

カニを傷つけにくい漁法

日本で行われているカニの漁法は、底曳き網漁法、かご漁法、刺し網漁法などです。
近年の底曳き網漁法ではカニや海底を傷つけないように網の改良が進められています。

かごの中にエサを入れて獲るカニかご漁法では、かごでカニを保護できるので、傷つけるリスクが低いです。
刺し網漁法では、カニを網にかけて獲りますが、カニを傷つけないよう熟練の手際で網からカニを外しています。

加工技術が高い

船に備え付けの水槽や加熱処理、急速冷凍、グレーズ処理のための加工設備が重要な鍵を握ります。
素材の美味しさを活かしたいというニーズを満たすために、加工技術が高まり品質が向上しています。
カニの特性を知って、適切な加工処理を施すことで、酸化を妨げたり、鮮度の低下を抑えたりして美味しいカニをいただくことができるのです。

品質管理を徹底している

品質管理として挙げられる項目には、カニの鮮度、細菌検査、輸送、加工場内の温度、衛生環境の点検などがあります。
カニの美味しさと安全性を確保するためには品質管理が欠かせません。
日本では食品の安全を守るための法令が制定されているので、規格基準を遵守した管理を徹底しています。

安全性が高い国産のカニ

漁場や加工場の情報が開示されている

日本で流通しているカニは原産地の表示が義務付けられています。
カニをはじめとする水産物は水域名または地域名を原産地として表示します。

ここで注意が1つ必要なのが漁船の船籍です。
船籍が日本であれば国産ですが、外国船籍の場合は外国産すなわち輸入品になります。
加工場の情報提示は義務ではありませんが、信頼できる販売店は加工場の情報や加工方法を開示していることが多いです。

鮮度を落とさない工夫が随所にある

鮮度が落ちるタイミングは主に4箇所です。

1つ目は水揚げから加工まで

2つ目は加工から販売まで

3つ目は購入からご家庭まで

4つ目はご家庭に届いてから食卓に上がるまで

 

この4つにかかる時間が短いほど、鮮度をキープできます。
水揚げから加工までの時間を短縮するために船内茹でや浜茹でが行われることもあります。
国産のカニであれば、漁場から食卓までの距離が近い分、鮮度を保ちやすいです。

輸送温度の管理が徹底されている

冷凍の場合も、活きガニの場合も温度設定がかなり重要です。
冷凍カニはマイナス50度くらいで保管しておかないと品質が低下すると言われています。
輸送や積み替えで温度が上がってしまうと品質が劣化してしまう恐れがあります。
しかし、日本のカニ加工会社や運送業者は温度管理に気を遣っているところが多いので、鮮度が保たれます。
活きガニも4度付近の低温で活動性を抑えて運ぶのがベストな方法だとされています。
自宅で保管する際も、冷蔵庫や冷凍庫に入れて安心するのではなく、早めに美味しく食べてください。

日本はカニの生育に適した場所

4つの海に囲まれている

日本は太平洋、オホーツク海、日本海、東シナ海に囲まれています。
国土を海に囲まれた国は世界的にも珍しいです。
異なる海域を持つため、海流が混じり合う箇所ができ、日本は水産資源に恵まれた島国となりました。

プランクトンが豊富

日本近海には暖流と寒流がぶつかる潮目があります。
太平洋では北からの親潮と南からの黒潮が、日本海では北からのリマン海流と南からの対馬海流がぶつかり合います。
潮目では、水深が深い部分に溜まっている豊富な栄養素が表層に上がってきます。
プランクトンが豊富な場所にはそれらをエサにするカニや大型の魚も集まります。

四季に合わせて旬のカニを楽しめる

日本には四季があります。
海水温が低い時期は身が締まったカニ、海の栄養分が豊富な時期には旨味が濃厚なカニなど四季折々の味わい方がおすすめです。
旬が異なるカニの種類をうまく組み合わせることで、1年中美味しくカニを楽しむことができます。
カニの種類だけでなく、産地ごとにも旬が異なるので、存分に日本ならではのカニの食べ方を満喫しましょう。

国産カニの魅力を最大限味わう食べ方

お刺身で新鮮さを噛み締める

新鮮さと安全性が高いカニでないと生では安心して食べられません。
高品質な国産のカニを味わうにはお刺身がおすすめです。
お刺身で食べる場合は、氷水で締めて食感を向上させ、香り、旨味、甘味に集中して食べましょう。

しゃぶしゃぶで身の食感と食べ応えを味わう

カニの味を引き立てるお出汁に小技を効かせましょう。
旨味成分には種類を組み合わせることでより味が良くなる旨味の相乗効果というものがあります。
相乗効果を得るためには、動物性と植物性の旨味を掛け合わせれば良いので、鰹節と昆布でとるだしがおすすめです。
カニの旨味も加わるので、美味しいお鍋がいただけます。

焼きガニで香り高さを味わう

焼きガニもお刺身やしゃぶしゃぶに並ぶシンプルな食べ方の1つです。
素材の味が活きるということは、素材が美味しくなければそれなりの味になってしまうということです。
旨味が強いタラバガニや花咲ガニを焼きすぎず、殻の方から片面だけ焼いていただくと、カニ本来の味を楽しめます。

国産(北海道産)カニの魅力まとめ

日本は海に囲まれた島国で、カニの生育に適した場所にあります。
カニの品質が良い上に、加工技術や品質管理も徹底されているので、国産のカニは新鮮で美味しく、安心して食べられます。
素材の味が肝になるお刺身やカニしゃぶ、焼きガニで国産カニの魅力を味わってみてください。