種類別!北海道で獲れるカニの旬【予算の目安や食べ方も解説】2023.03.7

「カニ王国」といわれる北海道では、ほぼ1年中カニが獲れます。
周囲を海に囲まれているため、カニが獲れる漁場が豊富なのです。
北海道の海がカニに適した環境であることも、カニ漁が盛んな理由です。

本記事では、北海道で獲れるカニの旬を種類ごとに解説します。
現役の料理人によるおすすめの食べ方や、予算目安も解説しています。
ぜひ購入時の参考にしてみてください。

予算目安は1㎏あたりの金額で計算しています。
カニは大きさによって値段が変わるため、1杯あたりの値段では参考になりません。
1杯の値段は安くても「そのぶんカニが軽かった」というケースがあるのです。

本記事を最後まで読めば、北海道で獲れるカニの旬や種類がわかります。

結論から言うと、カニの種類によって旬の時期はまちまちです。
年に旬を2回迎えるカニもいれば、1年中出回るカニもいます。

冬の風物詩といえばズワイガニ


北海道産ズワイガニの旬は3~5月、漁期は年2回で11~12月と3~6月です。

 

冬が旬にあたる本州と、春が旬の北海道では漁期も異なります。
気候が違うため、カニの産卵期がずれるからです。
北海道では5~6月ごろに産卵期を迎え、産卵期前の春が旬にあたります。

ズワイガニといえば本州の日本海側も有名ですが、水揚げ量の日本一は北海道です。

ズワイガニのおすすめの食べ方


おすすめはカニ刺しか茹でガニ。
カニ刺しの場合は、冷凍品であっても生食可能な商品に限ります。

 

ズワイガニは他のカニと比べて甘みが強く、カニ味噌も濃厚です。
大型のオスなら脚も太く、刺身で食べても十分な食べ応えがあります。

 

茹でガニにすると適度に水分が抜け、より甘みが増します。
殻からいい出汁が出るので、カニ鍋やしゃぶしゃぶもおすすめ。
メスの場合は内子(卵巣)と、カニ味噌が混じり合った部分が非常に美味です。

 

カニの「身・味噌・殻・内子」すべてを味わえる点が、ズワイガニの魅力です。

ズワイガニを買うときの予算目安

カニ通販で購入する際の目安は、1㎏7,000~12,000円ほど。

 

北海道産の旬である3~5月は、産卵期前で漁獲量が増えるためやや値段が下がります。
産卵期が近づくと、カニは水深が浅い沿岸に集まってくるからです。

 

オスよりメスのほうが安価ですが、産卵前(旬の時期)の内子は人気があります。
北海道産でメスのカニが食べられるのは、花咲ガニとズワイガニだけです。

旬が年2回もあるタラバガニ

北海道産タラバガニの旬は年2回、4~6月と11~2月です。
1回目の旬は流氷がすぎて身が甘くなる春から初夏、2回目の旬は脱皮を終えて身がぎっしりと詰まる秋から冬です。

 

ほぼ1年中獲れますが、主な漁期は3~11月で12~2月は漁獲量が減ります。
寒い海域にしか生息しないため、日本で水揚げされるのは北海道のみです。

タラバガニのおすすめの食べ方

おすすめは焼きガニや鍋物。
タラバガニは水分が多いため、生食にはあまり向きません。
加熱することで余分な水分が抜け、カニの味が凝縮されます。

 

北海道産タラバガニの魅力は、食べ応え抜群の脚の身です。
極太の脚はボリューム満点で、カニを食べたという満足感が味わえます。

 

カニではなくヤドカリの仲間なので、カニ味噌の味はイマイチです。

タラバガニを買うときの予算目安

カニ通販で購入する際の目安は、1㎏15,000~20,000円ほど。

漁獲量が少ないため輸入物が多く、北海道産は市場価値が高くなります。

 

鮮度を保ったまま配送するのが難しく、ほぼ冷凍品で生カニはかなり希少です。
主な漁場である稚内は北海道最北端にあるため、カニを運ぶのに時間がかかるからです。

 

輸入物にはメスのタラバガニもありますが、北海道ではメスは全面禁漁となっています。

1年中食べられる毛ガニ

北海道産の毛ガニには特定の旬はなく、1年中美味しく食べられます。
他のカニと比べて漁場が広く、各漁場によって旬の時期がずれるからです。

 

春:オホーツク海
夏:噴火湾(内浦)
秋:釧路・根室沿岸
冬:日高沖・十勝沿岸など

 

漁期も漁場ごとに異なるため、結果的に1年中出回ります。

 

網走:3~8月
宗谷:1~7月
日高:12~4月
胆振(いぶり):6~8月
十勝・釧路:1~3月・9~12月

 

甲長(甲羅の前後の長さ)が8cm以上のオスのみ、漁獲が許されています。

毛ガニのおすすめの食べ方

おすすめは茹でガニ。
毛ガニの醍醐味であるカニ味噌を、ストレートに味わえるから。

 

毛ガニはカニの中でも小ぶりですが、カニの甘みと旨みが強くカニ味噌は絶品です。
甲羅の中でほぐした身とカニ味噌を和えると、非常に美味です。
濃厚なカニ味噌が身の甘味を引き立てます。

 

食べ終わった甲羅は捨てずに、日本酒を注いで熱燗にしてもいいでしょう。
日本酒にカニの風味やカニ味噌のコクが加わり、毛ガニの旨みを余すことなく味わえます。

毛ガニを買うときの予算目安

カニ通販で購入する際の目安は、1㎏15,000~18,000円ほど。

 

毛ガニが獲れるのは比較的水深の浅い沿岸で、漁獲量が安定しているため1年中出回ります。
小さいカニやメスは全面禁漁などの厳しい規制があるため、大きさの割には高価です。

 

カニの中でも高級品ですが、実は北海道の人にもよく食べられています。
時期による値段の変動が少ないからです。
北海道民にはなじみ深いカニで、祝い事やハレの日などに食卓に並びます。

夏が旬・幻のカニと呼ばれる花咲ガニ

花咲ガニの旬は5~8月の夏場です。
日本では北海道でのみ水揚げされ、漁期は4~9月です。
根室沖やその近海でしか漁獲されないため、幻のカニと呼ばれています。

 

全身を大きなトゲと硬い甲羅に覆われ、茹でると花が咲いたように鮮やかな赤色になるのが特徴です。
近年は漁獲量の規制も厳しくなり、希少価値が高まっています。

花咲ガニのおすすめの食べ方

おすすめは味噌汁で、北海道では「鉄砲汁」という名前の郷土料理です。
もちろん、味噌味の鍋とも相性抜群。

 

花咲ガニの醍醐味は、エビのようなプリプリした食感と濃厚なカニの旨みです。
脂がのった身にはコクがあり、茹でたては他のカニと比べても非常に美味です。

 

北海道ではオスだけでなくメスも人気。
内子がカニ味噌付近にあり、味噌の旨みをたっぷり含んでいます。

花咲ガニを買うときの予算目安

カニ通販で購入する際の目安は、1㎏10,000~20,000円ほど。

 

漁期が短く漁獲量が極端に少ないため、非常に高価なカニです。
近年、北海道産は小ぶりなものが多く、ベーリング海などで獲れるロシア産が主流になっています。
旬の5~8月に揚がる花咲ガニが、もっとも大きく味もよい状態です。

北海道がカニ王国といわれる理由

北海道は「カニ王国」といわれるほど、カニ漁が盛んです。
輸入物のカニが多くを占める中、国産カニの水揚げ量は日本一を誇ります。

 

北海道の地形や気候が生み出す豊富な漁場と、恵まれた環境で高品質なカニが育つことが理由です。

カニが獲れる漁場が豊富

北海道は周りを海に囲まれているため、カニ漁に適した漁場が豊富です。
日本海や太平洋だけでなく、オホーツク海やベーリング海など北の海域にもあります。
いくつもの漁場があるおかげで、種類に関わらず1年中いずれかのカニが漁獲できるのです。

 

漁場ごとに旬があり、どの時期にも美味しいカニが存在します。
年間を通して旬のカニがたくさん獲れるため、全国に北海道産が多く流通しています。
結果的に「カニといえば北海道」というイメージが浸透しているのです。

北海道産のカニは高品質

北海道で獲れるカニが非常に良質であることも、大きな理由です。
味がよくなければ需要はなく、カニ漁も盛んにならないからです。

 

低温の海域を好むカニにとって、北海道の冷たい海は最適な環境といえます。
タラバガニのように、水温10℃以下でなければ生息できないカニもいるほどです。

 

寒い時期にはオホーツク海からの流氷が流れ着き、カニの餌となるプランクトンを大量に運んできます。
過ごしやすい環境と豊富な餌で育つ北海道産のカニは、王国の名に恥じない品質を誇ります。

北海道産の旬のカニはお取り寄せが便利

北海道産のカニは種類や漁場によって旬が異なり、結果的に1年中美味しいカニが存在します。
北海道の豊かな自然が、豊富な漁場とカニにとって最適な環境を生み出すからです。

 

購入の際は、仕入れから配送までを一括している専門店がおすすめ。
獲れたてを新鮮なうちに配送できるからです。

 

専門店で買う場合は、朝茹でのカニを選ぶとよいでしょう。
カニは鮮度が落ちやすく、茹でてた後はさらに劣化が進みます。
朝茹でなら生のカニを茹でたその日に届けるので、新鮮そのものです。
冷凍品は日持ちしますが、いつ獲れたものかわかりません。

 

カニ通販の上手な選び方はコチラをご覧ください。

 

カニ王国といわれるほど高品質な北海道産のカニを、ぜひ味わってみてください。