夏はさっぱりした味付けと香味野菜が活躍する季節。
「カニ=冬」というイメージがありますが、実は中華料理と組み合わせることで、夏でもおいしく、そして食べやすく楽しめます。
ここでは、カニが主役になる夏向け中華献立3パターンと、さっぱり食べられるアレンジレシピ、さらに夏にカニを中華でおいしく食べるコツをご紹介します。
ご自宅で気軽に「中華×カニ」を楽しみたい方は、カニの選び方・買い方ガイドもあわせてチェックしてみてください。
目次
- 夏のカニを中華料理でおいしく食べるポイント
- 献立1:冷房で冷えた体を温めるほっこり中華カニ献立
- 献立2:香辣ダレがあとを引くスパイシー中華カニ献立
- 献立3:カニ爪揚げが主役のごちそう中華献立
- さっぱり食べられる夏向きカニ中華アレンジ3選
- 夏のカニを中華に使うときの選び方・下ごしらえのコツ
- カニ中華に合わせたい甘味・飲み物・食器
- 夏の中華カニ献立まとめ
夏のカニを中華料理でおいしく食べるポイント
中国でカニと言えば有名なのは「上海ガニ」ですが、夏はズワイガニなど他のカニでも十分に楽しめます。
特に中華料理は、香味野菜やスパイス、黒酢などを上手に使うことで、カニの甘みを引き立てながら、暑い季節でも食べやすく仕上げられるのが魅力です。
- 香味野菜をしっかり効かせる:ネギ・ショウガ・ニンニク・豆板醤などで香りとコクをプラス。
- 夏野菜と合わせてさっぱり:カボチャ・ナス・ピーマン・きゅうり・トマトなどと合わせると見た目も華やかに。
- 温かい料理で“冷え対策”も:冷房で冷えがちな体を、スープや煮込み料理で内側から温めます。
- 辛味や酸味で食欲アップ:香辣ダレや黒酢、ラー油、酸辣スープなどが夏バテ気味のときにもおすすめです。
献立1:冷房で冷えた体を温めるほっこり中華カニ献立
最初にご紹介するのは、冷房で冷えた体を中から温めてくれる、ほっこり系の中華カニ献立。
カニとカボチャの煮物、夏野菜の炒め物、ザーサイとお肉のスープを組み合わせた、やさしい味わいのセットです。
螃蟹燉南瓜(パァンシィエドゥンナァン)|カニとカボチャの煮込み
カニとカボチャをじっくり煮込んだ、自然な甘みが楽しめる一品です。
ほっくりとしたカボチャにカニのだしが染み込み、メインおかずとしても満足感があります。
- カボチャは皮とワタを取り、ひと口大に切ります。
- カニは殻から身を外し、大きめにカットしておきます。
- 鍋に油を熱し、刻んだネギとショウガを炒めて香りを出します。
- カニを加え、身の色が変わったらカボチャと水を加えて煮立たせます。
- 塩や中華だしなどで味を調え、煮汁が少なくなるまで煮込めば完成です。
地三鮮(ディサンシェン)|夏野菜たっぷり中華炒め
ジャガイモ・ナス・ピーマンといった身近な野菜で作る、香ばしい中華炒め。
素揚げした野菜に、豆板醤やオイスターソースを絡めて仕上げます。
- ジャガイモは皮をむき、ナス・ピーマンと一緒にひと口大にカットします。
- ジャガイモは下ゆで、もしくは電子レンジで軽く火を通しておきます。
- 野菜を油でさっと素揚げし、油をよく切ります。
- フライパンで油と豆板醤を弱火で炒め、刻んだニンニク・ショウガ・豆豉・ネギ・鷹の爪を加え香りを立たせます。
- 砂糖・酒・オイスターソース・醤油・中華だし・胡椒・水溶き片栗粉を加え、素揚げした野菜を絡めれば出来上がりです。
榨菜肉絲湯(ヂァーツァイロースータン)|ザーサイと細切り肉のスープ
ザーサイと細切り肉を組み合わせた、旨みたっぷりの中華スープです。
カニ料理と一緒に楽しむことで、献立全体の満足度がぐっと高まります。
- ザーサイと豚肉(またはお好みの肉)を細切りにします。
- 肉に塩コショウと紹興酒をまぶし、10分ほど置いて下味をつけます。
- 鍋にごま油を熱し、片栗粉をまぶした肉とザーサイを炒めます。
- 鶏がらスープを注ぎ、アクを取りながら煮ます。
- 醤油・炒りごま・ごま油・刻みネギ・ラー油で味を整えて完成です。
献立2:香辣ダレがあとを引くスパイシー中華カニ献立
2つ目の献立は、ピリ辛の香辣ダレでカニをしっかり楽しむスパイシーな組み合わせ。
メインの香辣蟹に、空芯菜炒めとふわふわ食感の鶏スープを合わせる、大人向けの中華献立です。
香辣蟹(ジャンラーシィエ)|殻ごと楽しむスパイシーカニ
カニを殻付きのまま素揚げし、辛味とコクのあるタレを絡めたワイルドな一皿。
殻の香ばしさと香辛料の風味で、お酒にもご飯にも合うメイン料理です。
- カニの表面の汚れを流水で丁寧に洗い、不要な部分を取り除きます。
- 塩・酒・コショウで下味をつけ、10分ほど置きます。
- ニンニク・ショウガ・ネギをみじん切りにし、鷹の爪は輪切りにします。
- 醤油・オイスターソース・黒酢などを合わせて香辣ダレを作ります。
- カニに片栗粉をまぶし、表面がきつね色になるまで揚げます。
- フライパンで香味野菜を炒め、香辣ダレと揚げたカニを加えてさっと炒め合わせれば完成です。
清炒蕹菜(チンチャオウォンツァイ)|空芯菜のシンプル炒め
シャキッとした食感が楽しい空芯菜炒め。
強火で一気に仕上げることで、水っぽくならず香り良く仕上がります。
- 空芯菜を洗って水気を切り、食べやすい長さに切ります。
- フライパンに油を熱し、みじん切りのニンニクを炒めて香りを出します。
- 空芯菜を加え、強火で一気に炒めます。
- 塩と鶏がらスープの素で味を調え、さっと炒め合わせたら出来上がりです。
鶏豆花(ジードーファー)|ふわふわ鶏ひき肉のスープ
鶏ひき肉をおぼろ豆腐のようにふんわりと仕立てた、やさしい口当たりのスープ。
スパイシーな香辣蟹と相性が良く、献立のバランスを整えてくれます。
- 脂肪が少ない鶏むね肉のひき肉を用意し、塩コショウ・生姜汁を加えてよく練ります。
- 卵白・水・水溶き片栗粉を加えてさらに混ぜ、粘りを出します。
- 鶏がらスープを沸かし、ひき肉のタネを少しずつ流し入れます。
- 鍋の中をあまりかき混ぜず、ふわっと固まるように火加減を調整します。
- アクを取り除き、器に盛り付ければ完成です。
献立3:カニ爪揚げが主役のごちそう中華献立
3つ目は、見た目のインパクトも抜群なカニ爪揚げが主役の献立です。
パーティーや来客時にも映えるメニュー構成で、前菜・スープも含めてトータルで楽しめます。
百花蟹剪(パイホアシェージェン)|エビすり身をまとわせたカニ爪揚げ
カニの爪にエビのすり身をたっぷりまとわせ、カラリと揚げた一品。
手に持って食べられるので、ホームパーティーにもぴったりです。
- カニ爪とエビを下処理し、エビはフードプロセッサーですり身にします。
- エビのすり身に日本酒・塩コショウ・ごま油を加えて練り、冷蔵庫で冷やしておきます。
- カニ爪の表面に片栗粉を薄くまぶし、エビのすり身でしっかり包みます。
- 薄力粉・溶き卵・パン粉の順に衣をつけ、油でカラッと揚げます。
涼拌黄瓜(リャンバンホァングア)|ニンニク香るたたききゅうり
ニンニクを効かせた、さっぱりとしたたたききゅうりの副菜。
揚げ物と合わせることで、口の中をリセットしてくれます。
- きゅうりに塩をふって板ずりし、表面を軽くこすって洗い流します。
- ポリ袋に入れて、すりこぎなどでたたき、ひと口大に割ります。
- みじん切りの長ネギ・ニンニク、ごま油、酢、塩、砂糖を加えてよく揉み込みます。
- 冷蔵庫で15分以上冷やし、味をなじませれば完成です。
卵とトマトの酸辣湯(サンラータン)|酸味と辛味のさわやかスープ
卵とトマトを使った、酸味と辛味が心地よいスープ。
カニ爪揚げの油っぽさを和らげてくれる、締めにもぴったりの一杯です。
- トマトを食べやすいサイズにカットします。
- 鍋に水と鶏がらスープの素、醤油、塩、コショウ、砂糖、酢を入れて火にかけます。
- スープが沸騰したらトマトを加え、溶き卵を細く流し入れます。
- 器に盛り付け、ラー油を垂らして仕上げます。
さっぱり食べられる夏向きカニ中華アレンジ3選
ここからは、暑い日にも食べやすい「ひんやり&さっぱり」系のカニ中華レシピを3つご紹介します。
副菜やおつまみとしてはもちろん、主食としても活躍します。
カニとキクラゲの中華和え
コリコリとしたキクラゲに、カニの身ときゅうりを合わせた冷たい和え物。
さっぱりしていながら旨みもあり、前菜にぴったりです。
- 乾燥キクラゲを水で戻し、食べやすい大きさに切ります。
- カニは下処理をしてゆで、身を大きめにほぐします。
- きゅうりを細切りにし、カニ・キクラゲと合わせます。
- 酢・ごま油・醤油をベースに味付けし、全体を和えたら完成です。
カニ和え麺
カニと野菜の餡をたっぷりかけて楽しむ、中華風の「混ぜ麺」。
冷やし麺にかければ、夏にうれしい一品になります。
- カニの下処理をしておきます。
- ニンジンとジャガイモの皮をむき、ゆでてからフードプロセッサーでペースト状にします。
- 生姜とネギをみじん切りにし、干し椎茸を戻して細切りにします。
- フライパンで油を熱し、生姜・ネギを炒めて香りを出します。
- カニ、椎茸、ニンジン、ジャガイモ、水を加えて加熱し、塩・砂糖・鶏がらスープの素・黒酢で味付けします。
- ゆでた麺に油と醤油を絡め、上から餡をかければ出来上がりです。
冷やしカニ玉
定番のカニ玉を夏仕様にアレンジした、冷たいカニ玉。
冷蔵庫で冷やしてから、夏野菜と餡をかけてさっぱりといただきます。
- カニのほぐし身、水で戻したキクラゲ、溶き卵、水、鶏がらスープの素をボウルで混ぜます。
- フライパンに油を熱し、半熟程度まで卵に火を通します。
- 耐熱容器に油を塗り、卵を入れて電子レンジで加熱し、粗熱が取れたら冷蔵庫で冷やします。
- オクラ・ナス・トマトなどの夏野菜を下ごしらえします。
- 水・めんつゆ・みりん・鶏がらスープの素・片栗粉で餡を作り、常温まで冷まします。
- 冷やした卵を器に盛り、夏野菜と餡をかけて仕上げます。
夏のカニを中華に使うときの選び方・下ごしらえのコツ
オスとメスで料理に合わせて使い分ける
カニはオスとメスで特徴が少し異なります。
卵を楽しみたいときはメス、身のボリュームを重視したい料理にはオスを使うなど、献立に合わせて選ぶと満足度が高まります。
旬や漁獲時期を意識して選ぶ
カニは種類や産地によって旬の時期が変わります。
旬の時期に水揚げされたもの、もしくはその時期に加工されたものは味わいが濃く、身入りも良いのが特徴です。
中華料理に使う場合も、ベースとなるカニがおいしければ、シンプルな味付けでも十分に満足できます。
殻付きカニはしっかり洗ってから調理する
中華料理では殻ごと揚げたり炒めたりするレシピが多いため、表面の汚れや泥はしっかり落としておきましょう。
硬めのスポンジや小さめのブラシを使って、足の付け根や甲羅の隙間まで丁寧に洗うのがポイントです。
カニ中華に合わせたい甘味・飲み物・食器
さっぱり系の甘味で口直しを
カニ中華のあとには、軽めでさっぱりした甘味がよく合います。
たとえば「豆花(トウファ)」のような豆乳ベースのデザートは、喉ごしも良く夏向きです。
豆乳と砂糖をゼラチンで固め、シロップやフルーツを添えるだけで簡単に作れます。
飲み物は体を冷やしすぎないものを意識
中国には、食材を「体を温めるもの」と「冷やすもの」に分けて考える食文化があります。
カニは体を冷やす食材とされるため、ビールなど冷たい飲み物ばかりだと冷えすぎてしまうことも。
紹興酒や、ショウガ・黒酢を使ったドリンクなどを組み合わせると、バランスよく楽しめます。
涼しげな食器で夏らしさを演出
同じ中華料理でも、器を変えるだけで季節の雰囲気がガラッと変わります。
ガラス製の茶器や、竹製のコースター、透け感のある模様の器を取り入れると、見た目にも涼しさを演出できます。
夏の中華カニ献立まとめ
カニはゆでてそのまま食べるだけでなく、中華料理と組み合わせることで、
煮込み・揚げ物・和え物・麺・スープと、さまざまなバリエーションで楽しめる食材です。
- 香味野菜やスパイスを組み合わせることで、夏でも食べやすい味わいに。
- 献立全体を「温かい料理+さっぱり副菜+スープ」で構成するとバランス◎。
- オス・メスや旬を意識してカニを選ぶと、料理の仕上がりが一段と良くなります。
「カニは冬のもの」というイメージを少し変えて、ぜひ夏の食卓でも中華カニ料理を取り入れてみてください。
シーンや人数に合わせたカニの選び方は、カニの選び方・買い方ガイドも参考になります。
ご自宅での中華パーティーや、週末のちょっとしたごちそうに、カニ通販.comのカニを役立てていただければうれしいです。